赤ちゃんにタコを食べさせる!というと、
「え、下手すると大人でも噛み切りにくい食材なのに、無理に食べさせなくてもいいのでは?」
と思う方もいらっしゃいますよね。
けれど、歯が生えそろってきたら逆に噛む練習にもなって試してみてほしい食材の一つです。
さらに、赤ちゃんとタコって意外と生まれた時から接点があるんです!!
今回はたこについて栄養学的な面と薬膳的な面から掘り下げ、赤ちゃんとタコの素敵なカンケイについてお話ししたいと思います!
離乳食でタコはいつから?薬膳的な効能も解説
タコは離乳食完了期から
タコは実自体は離乳食完了期から食べることが出来る食材です。
推奨されていない理由は固くて噛み切れないことが主な理由。
ですから、煮汁などは離乳食完了期を待たず試してOKと考えます。
噛む練習で大きめのタコを握らせる場合は、喉に詰めないようにしっかり見てあげてくださいね。
離乳食初期 | 離乳食中期 | 離乳食後期 | 離乳食完了期 |
✖ | ✖ 煮汁はOK |
✖ |
△ |
タコといえばタウリンがたっぷり含まれていて、高たんぱく低カロリーな食材なのですが、注目すべきはこのタウリンです。
タウリンといえば、「タウリン1000mg配合!!」的な栄養ドリンクを想像して、お疲れサラリーマンのための疲労回復!のようなイメージがあると思います。
けれど、実は初乳や乳児用粉ミルクにも含まれている、赤ちゃんの時から欲しい栄養素なんです!
これはタウリンは生まれた時赤ちゃんの体内に存在せず、母乳(特に初乳)やミルクから摂取して体内にためておく為。
産まれた時から必要な栄養成分の一つだったなんて!って感じですよね!
タウリンは水溶性なので、実が固くて食べられない時期でも、アレルギーの様子を見ながら煮汁をおだしとして活用すれば、タウリンだけでも摂取できていいかもしれませんね!
タコの薬膳的な効能は?
味:甘・鹹
(甘味は赤ちゃんが最も好む味で、味自体が気を補って元気にする効能を持ちます。
また、鹹(かん)というのは塩辛い、という意味合いを持ちますが、実際は海のミネラル分のようなイメージ。ミネラルは赤ちゃんの成長発育にアプローチできます。確かに、タコは魚介類の中でも臭みが少なく、ほんのり塩味もあるので、固ささえクリアすれば子供でもおいしく食べられますよね。)
性質:涼
(体を少しクールダウンします。暑くなってくる季節のスタミナ食材としてとらえておくといいですね。)
帰経:脾肝
(赤ちゃんにとって未熟な消化吸収機能を担当している脾と、体の解毒機能や巡りを良くする働きをする肝にアプローチします。)
効能:補気 補血 強筋骨
(体のパワーや血を補って、足腰まで強くする効能を持ちます。とにかく疲労回復!滋養強壮!のタウリンのイメージ通りの効能ですね。)
タウリン!というとタコのほかにイカも思い浮かぶかと思いますが、イカよりも胃腸にアプローチする食材のため、全体的にまだパワーが不十分な子供にはタコがおススメです。
タコの旬はいつ?せっかく食べるなら旬を意識しよう
タコ(マダコ)の旬は6~7月で、歳時記(雑節)の「半夏生(はんげしょう)」の時期に一番おいしくなります。
半夏生とは、夏至から数えて11日目から5日間をさし、2023(令和5)年は7月2日(~6日)です。
半夏生はもともと、田植えをこの日までに終えましょうという目安になる日だったので、タコを食べることで、稲がタコの様にしっかりと地面に根を張って立派に実りますように!という五穀豊穣を願って…という願掛けのような意味合いがあったようです。
けれど、田植えに疲れた農家の方々が、旬でスタミナがチャージできるタコを食べることは理にかなっていたんじゃないかな、と思います。
時期的にちょうど梅雨入りしてジメジメとして体がダル重く、食欲も落ちてしまいがちな頃になるので、胃腸にやさしくパワーチャージができるものはうれしいですよね。
息子はタコの出汁やほそーい足の先は2歳手前頃にチャレンジしましたが、形としてデビューしたのは2歳半頃です。
細ーい部分ばっかり使ってますね!(笑)
これはたまたま、6月にあたる月が2歳7か月だったことから、無理に秋冬に食べさせなかったのが理由です。
春生まれだったら、6月7月を迎える時期がもう少し月齢が小さくなるので、もう少し早く始められていただろうなぁと思っています。
離乳食でいろいろな食材を進めていくうえで、これを食べさせてみよう!と思い立つきっかけの一つに「旬」があると思うのです。
やっぱりはじめての食材は、その食材が一番いい状態である時期から開始させたいものです。
あなたのお子さんも、せっかくのタコのおいしい(そして旬だとお安いですよね!)季節がしっかりタコが噛める歯の状態や月齢に達していたら是非チャレンジしてみてくださいね。
消化の悪いタコを赤ちゃんでもおいしく食べるコツ
タコを赤ちゃんに食べさせるうえで最大の難点が「固い」ことです。
しかも火を入れれば入れるほど固くなるので、食中毒の観点からもよく火を通しておきたい離乳食期にタコをチョイスすると、火入れすればするほど固くなっていくタコをどうやって与えるか、は結構大きな問題になるかと思います。
すり身にする
豆腐などと一緒にミキサーにかけて蒸しあげるとふんわり団子になります。
タコにほんのりと塩気があるので調味料は入れずに、タコの甘みとうまみがあれば十分満足できると思います。
もちろん、枝豆など色合いのアクセントにもなる他のお野菜も一緒に入れてもいいですし、つなぎが弱ければ片栗粉や卵を入れるのもおいしいですよ!
余談ですが、写真は北海道のタコザンギです(笑)これ、好きなんですよね~!
大根と一緒に煮る
タコを軟らかく煮るのはとにかくじっくり時間をかけて煮ることです。
大きなタコを丸ごと柔らかくしようと思うと何時間もかかりますし、そんなに食べない赤ちゃんのために3時間も4時間も暑い季節に火にかけておくなんて超非現実的!って感じですよね。
でもご安心を!赤ちゃんが食べる一口分くらいなら細かく刻んで煮れば1時間くらいでやわらかくなると思います。
我が家では切り干し大根の戻し汁で煮ていました。
そうするとみりんを使わずともほんのり甘いタコの煮物ができますし、なんといっても戻し汁で鉄分チャージまでできます。
大根のもっているジアスターゼという酵素でタコが柔らかくなるといわれているのですが、切り干し大根には酵素はもう残っていないのですが、大根効果で心なしか柔らかくなりやすい感じがします。
写真のタコご飯の日は戻し汁で煮たタコと、戻した切り干し大根の煮物。
一気に2品できちゃいます!
切り干し大根の戻し汁がおススメ!という話はこちらも是非参考にしてみてくださいね!
赤ちゃんとタコの接点はこんなところにも!
お食い初めでタコはマストアイテム
離乳食を始めてまもないママや、まだ始めてないママにとっては「タコはまだまだ先の話~」
という感じだったかもしれません。
けれど実は、タコは関西(特に大阪)ではお食い初めの歯固めでも登場するんです!
その由来はこんな風にたくさんの節があります。
歯固め石の代わり
歯固めの時は歯固め石と呼ばれる小石をお宮参りなどの時に、神社からお借りしてきて使用する事が有名ですが、石ではなくタコを用いる理由として「なかなか噛み切れないタコが噛みきれるくらい歯が丈夫になりますように」との願いを込めて。
「食べることに困らないように」との願いから
お食い初めは「食べることに困らないように」との願いを込めて行う行事ですが、その言葉の頭文字をつなげて「た」べるものに「こ」まらないように、というところから。
たくさんの幸せを願って
たくさんの幸せ=多幸=たこ というところから。
正直屋HPより引用:http://shojikiya.co.jp/service/okuizome/column/octopus/
まだおっぱいしか飲んでない赤ちゃんに魚貝類咥えさせて大丈夫?!と若干心配しましたが、我が家のお食い初めでもちゃっかりタコが登場していました。
歯が丈夫になる、というのはこれからしっかりと成長発育していくうえでもとても重要なポイントです。
関西だけの文化、と言わず、全国に広まってほしい~!です。
とはいえ、たこによるアレルギーの可能性はゼロではないので慎重に進めましょう!
まとめ
・タコは固いのでしっかり歯が生えて噛めるようになった離乳食完了期ごろから。
・タコの出汁(煮汁)には初乳にも含まれている赤ちゃんのパワーアップ成分タウリンが含まれているので離乳食完了期前からOK。
・タコの旬は6~7月。半夏生にタコを食べる習慣があるので、その時期を狙ってチャレンジしてみましょう。
いかがだったでしょうか?
息子とタコ焼きを突っつけるようになる日を夢見つつ、これからの蒸し暑いシーズンをタコを取り入れながら乗り切っていきたいと思います!
あなたも是非取り入れてみてくださいね!
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