離乳食に薬膳の要素を入れるとは?BABY薬膳で目指すこと

トラブル対策

離乳食の時期から薬膳を取り入れる。

パッと聞くと「いやいや、離乳食でそんな得体のしれないもの食べさせるなんて無理でしょう??」

って思った方もいらっしゃるかもしれません。

それもそのはず。世間一般の薬膳のイメージは「火鍋」とか「朝鮮人参」とかそんな感じ。

こんな写真のようなにんにくマシマシで辛いスープや、八角の効いた感じとか…!

つまり薬膳というのはなつめや朝鮮人参などの「薬膳食材」とか「生薬」と呼ばれるものを指してしまうことが多いのです。

確かに「薬膳」というと「薬」という字を使うので、なんだか特別な薬のような薬草を使った料理をイメージしてしまいがちですよね。

けれど実際、薬膳というのは「体調体質に合わせて食材を選び、その人一人一人に合った適切な調理法で作った食事」を指します。

薬膳食材を食べているから身体にいいとか、薬膳食材を食べさせるためにどうすればいいかではなく、それがちゃんと食べる人に合った食材なのかという部分がとっても大切です。

逆を言えば、いくら高級で薬効が高いといわれる食材を食べていたとしても、それが受け入れられる(消化吸収できる)状態でなかったり、その人の体質に合っていなければ意味がないのです。

BABY薬膳でお伝えする薬膳を食べるのは離乳食期の赤ちゃん。

普通の大人と比べて、食べられる量も、種類も、消化吸収機能の受け入れ体制も異なります。

「大人と違う」ということを踏まえたうえで、赤ちゃん一人一人の体調体質を見たてて、それに合った食材選びや進め方をしてほしい、と思っています。

では実際、離乳食期から薬膳を取り入れるというのはどんなことをするのでしょうか。

今回は離乳食に薬膳を取り入れるときのポイントをお伝えしていきたいと思います。

これを読んで、あなたのお子さんに合った進め方を見直してみるきっかけになれば嬉しいです。

早速行ってみましょう!

赤ちゃんに薬膳を取り入れるために必要なポイント

先ほどもお話ししたように、薬膳とは「体調体質に合わせて食材を選び、その人に合った調理方法で作った食事」の事を指します。

この時に必要な知識は大きく分けて2つです。

1つ目は離乳食期に使われる食材の薬膳的効能を知ること。

これは何か一冊、薬膳的な効能が書かれた本を購入すれば簡単に知ることもできます。

例えばこんな本ですね。


ただ、本で効能を知っても、それが体質や体調にマッチしていなければ意味がありません。そこで大切になってくるのが

2つ目の赤ちゃんの体質の基本を知り、今ある状態を見立てることが出来ること。です

これがあなたのお子さんに合った離乳食を進めていくうえでキモになってくるところです。

この2つさえ押さえることが出来れば、特別な食材を選ぶこともなく、あなたがイメージする離乳食を薬膳の要素を取り入れた形で進めていくことが出来ます。

ブログではどのように一人一人に合わせられるのか、細かいお話しまではご提案できませんが、赤ちゃんの体質の大前提と、食材の効能の捉え方をお伝えしますね。

赤ちゃんの体質の基本

赤ちゃんは消化吸収機能が未熟

大大大前提がこちらです。

離乳食期の赤ちゃんはまだ胃の容量も小さく、消化液の分泌も未熟です。離乳食でこってりピリ辛なエビのチリソースとか、皮がカリカリに揚がっているからあげとか絶対あげないですよね。

この理由を真面目に語ると、

❶味が濃い
❷油っこい
❸噛み切れない

などと表現できるかと思います。

一言でいえばそれを受け入れる体制が整っていないから、といえますね。

さらに、離乳食期、特に一歳未満では絶対に食べさせてはいけないものもあります。

・はちみつ
・黒糖
・コーンシロップ
・自家製野菜ジュース
・井戸水

これらは、赤ちゃんの腸がざるの様に粗く、大人なら取り込めないボツリヌス菌が腸管内に取り込まれてしまうことで体内で毒素が作用してしまい、場合によっては死亡事故につながるというものです。

卵でアレルギーが出る確率が高いのも、大きな分子構造を持つ動物性のタンパク質が取り込まれてしまうことで、身体が反応してしまう事が理由です。

アレルゲンになりやすい食材の中で、呼吸困難など重篤な症状が出やすいナッツ類やそばなども、ある程度胃腸の機能が整ってきてからが推奨されていますね。

つまり、「赤ちゃんの腸の構造は大人とは状態が全然違う」ということを知っておく必要があります。


そして、まだまだ未熟な消化吸収機能を痛めつけるようなものは食べない、というのが基本です。
先ほどお話ししたからあげやエビチリがそれですね。

薬膳的には「肥厚甘味ひこうかんみを傷める」と言われ、

肥→脂っこいもの
厚→味の濃いもの
甘→砂糖など、強すぎる甘味

こういったものを赤ちゃんの離乳食で避けていることを裏付けています。

消化吸収機能に係る「脾」はこれから食べ物を食べてチャージしていくうえで常に整える意識を持っておきたい部分でもあります。

赤ちゃんは発育発達途上

さらに、赤ちゃんは発育発達途中であることも、押さえておかなければなりません。

馬やキリンなどは生まれて数時間でもう歩けるようになりますし、ライオンの赤ちゃんは生肉も食べます。

ですが人間は立って歩けるようになるのに1年近くかかりますし、大人と同じものを食べるのに2年以上かかります。

中医学的には赤ちゃんはお母さんから生きていくのに必要な最小限のエネルギーをもらって生まれてくるのですが、それをうまく使いこなせるようになるのはまだまだ先。

私は生まれたての状態ってフル充電した携帯の電源を入れたばかりの状態と思っています。

携帯の電源を入れてもしばらくは操作できませんよね。

電源は入っていて電池も十分あっても、(生まれていて、生きていても)アプリを開いて操作できるようになるまで(活動できるようになるまで)しばらくかかるのです。

そして、電池が切れないように(死んでしまわないように)充電して(食べて)命をつないでいくわけです。

成長発育発達を担当している「じん」という部分も赤ちゃんの内から強化しておきたい部分です。

赤ちゃんで強化すべき脾・腎

上で述べたように赤ちゃんは脾と腎が弱いです。

食べ物からエネルギーを取り込む場所と、大切な部分の成長に濃いエネルギーを使いながら、エネルギーの備蓄も行う場所。

どちらも生きていくうえで、一生大切にケアしておきたい部分です。

この意識が離乳食期の頃からあるのとないのとでは、これからの人生で効率よくエネルギーを活用できるかどうかが大きく変わってくると思います。

さらに、お母さんが胃腸が弱かったり、足腰が弱かったりすると、その分、生まれる赤ちゃんに渡せるエネルギーも少なくなります。

お母さんの体質をある程度引き継ぐというのは、もちろん遺伝的な問題もありますが、このような背景からも説明ができるわけです。

それが赤ちゃんの成長発育、そして離乳食の進み具合という「個性」「個体差」となっていくのですね。

食べて何ともないから食べる、

月齢の目安だけでなんとなく選ぶ、

一般的にこれくらいでこんな食材を食べられるようになっているものだから食べさせていい、

そういった一般的な考えではなく、一人一人の弱点をフォローするような食材選びができるといいなと思います。

では、実際どのような食材選びを意識すればよいのでしょう?

順に説明していきますね。

離乳食期に意識する食材選び

胃腸を元気に整える

未熟な胃腸を健やかに育てる基本は「米」でいいと考えています。

離乳食はそのほとんどが10倍粥から始まりますよね。

米は一粒万倍などと言われ、1粒からたくさんのお米がなることからも、その1粒に込められたパワーの強さを感じられる食材。薬膳的にも「気」を補う代表格です。

デンプン質の自然な甘みは薬膳的にも胃腸を元気にしてくれる味ですし、赤ちゃんに負担なくとれるたんぱく質もわずかに含まれています。

このように米を筆頭に「芋類や豆類の様にそこから芽が出る食材」を意識しておくことで、まだまだ未熟で弱い胃腸にパワーをチャージすることが出来ます。

甘い味は赤ちゃんの好きな味でもあるので、基本で食べさせたい食材と、赤ちゃんが好む味が一致する、ウィンウィンなカンケイです。

それらを消化に負担をかけずにとるためには、「細かく刻んだり、滑らかなペースト状にする」といった調理法がおススメです。

お米について詳しくはこちらもご覧くださいね!

自然の旨味で味覚を育てる

昆布やカツオ、そして根菜類からでるうま味など、お出汁として活用するものから出るエキスは体を形成する時に使うアミノ酸類が豊富に存在することから、本能的に「おいしい」と感じやすくできています。

この昆布やカツオなどの海からとれるお出汁、根っこを食べる野菜は、「腎」にアプローチできるものが多く、身体のベース作りに欠かせません。

人工的なうま味はとても刺激が強く、刺激に慣れてしまうと素材本来の旨味を物足りないと感じるようになってしまいます。

赤ちゃんの味覚はとても繊細に出来ています。

繊細なうちに、正しいうま味、また様々なお出汁の旨味が混ざり合った複雑な味に慣れていくことで、人工的で単調な味に依存しにくい状態を作ることが出来ます。

すこし過激な言い方になりますが、正しいうま味に依存してくれることで、濃い味付けに頼ることなく、素材そのものの旨味を感じられるようになっていきます。

噛むを育てる

胃腸に負担をかけず、消化に良い調理方法も大切ですが、しっかり噛む力を育てることも同じくらい重要です。

歯が生える、というのは「消化吸収に必要な第一関門である口の中での消化活動をする準備が整いましたよ」というサインです。

つまり、歯が生えるというのが、離乳食を始める一つの目安であってほしいと思っています。

一般的な離乳食期は歯が生えていなくても、歯茎で噛めればOKとされる時期が沢山あります。しかし、歯があってこそ、噛んで、食べ物を小さくしながらだ液と混ぜ合わせるという、本来の消化吸収活動が進められるのです。

噛むときに使う歯は、中医学では骨の余りでつくられる「骨余こつよ」と呼ばれたりしますが、骨も人間の生命活動のために大切な「動く」を支えるための大切な芯の部分ですよね。

骨や脳といった大切な部分はすべて「腎」が担当しています。

なので、噛むことをシッカリすることで腎の発育を促し、脳の発達にもつながっていくのです。

消化にやさしい「細かく刻んだり、ペースト状にしたもの」と、噛むを育てる「しっかり前歯でかじりとって食べる固さのあるもの」をうまく交えながら離乳食期のステップアップをしていくのが理想です。

離乳食期は「散歩進んで二歩下がる」

離乳食を始めてしまったら最後、もう後戻りはできないと思っていませんか?

何か月か経ったら次は二回食、三回食といった具合で、赤ちゃんの食べ具合を気にせず、期間で区切ってステップアップさせてしまっていませんか?

実は私も、離乳食を開始する時期のベストタイミングはいつなのか、本当に悩みました。
その子にとって最善のタイミングで始めたかったし、始めたら後戻りできないから慎重にせねば!と思っていました。

今思えば、すこし神経質だったかな、と思えることもあります。
始めて見てダメだったらやめていい、という選択肢が、当時いっぱいいっぱいだった私にはなかったからです。

赤ちゃんの消化吸収出来るキャパはとても小さいので、消化が追い付いていなければ、次の食べ物を受け入れられないということも多々あります。

想像してみてください。昨日の夜食べ放題で食べ過ぎたなーっていう日の翌日、全然お腹空かないわ~!ってことないですか?

お肉たくさん食べて、くるしいな~。

赤ちゃんにだってそういうことがあるんです。

お子さんが全然食べない。

どんな味付けにしても、食べる工夫をしても食べてくれない。

そんな時は、食べられる体制じゃない可能性もあります。

離乳食期はついつい、食べない事ばかりに頭がいっぱいになって、あれこれ試しては悩み、落ち込むことも多いと思います。

そんな時に中医学や薬膳の知識があれば、冷静に赤ちゃんの状態を客観視して、今何が必要か、考えてみるゆとりが生まれると思っています。

食べない日があったら食べなくてもいいのです。

反対に、食べたい日は食べたらいい。

三歩進んで二歩下がりながら、その子のベストを探っていただければいいなと思います。

離乳食に薬膳を取り入れる前に

さいごに、食事は「体調を整える力を持つ薬であり、食べることで広がるコミュニケーションを育む時間でもある」と思っています。

離乳食を進めていくと、積極的に食べさせたいと思える効能の高い食べ物もあれば、あまりあげたくないけれど、外食時に選択肢を広げるためには食べられた方が良い食べ物や、お友達付き合いのためにも知っておく食べ物もあります。

それらをすべて、わかった上で「楽しめるか」というのは食事をするうえで大切。

もちろん、離乳食期は食べる第一歩を踏み出すわけなので、安心安全なものをできるだけ選びたいですし、余計なものは極力避けたいです。

ですが、ストイックさの余り、食事が身体に有益な栄養を摂取するためだけの行為であってはいけないと思うのです。

余計なものを食べた時に、それをデトックスする力や、身体を元の状態に整える力は是非是非つけていただきたいですし、そのためにも離乳食期から正しい味覚と野菜を好き嫌いなく食べられることを目指してほしいと思います。

でも食べないからと焦らず、食べない理由は何なのか?を考えるために薬膳や中医学の知識を活かしていただけたらな、と思っています。

まとめ

・赤ちゃんは脾と腎が未熟

・脾を元気にする「そこから芽が出る食材(米・芋・豆)」と「胃腸に負担をかけない刻んだりピュレ状にする調理法」

・腎を強化する「お出汁や根菜のうま味」と「噛むを育てる固さのある調理法」

・三歩進んで二歩下がる

いかがでしたでしょうか?

離乳食期から薬膳の意識を取り入れるのはそんなに難しいことではありません。

是非意識していただけると嬉しいです。

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