タンパク質のはじめの一歩として使われることの多いお豆腐は、スーパーでも手軽に手に入る食材の一つです。
最近ではお豆腐コーナーが充実していることが多くて、どれにするか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
せっかく赤ちゃんのタンパク質はじめの第一歩に選ぶのだから、安心安全で、おいしいお豆腐がいい!と思いますよね。
でも、おいしいお豆腐には赤ちゃんに食べさせるのに気をつけたい注意があることをご存知でしょうか?
これを読むと、赤ちゃんと家族においしいお豆腐を選んであげられるようになって、豆腐の目利きもできるようになります!
今回はそんなお豆腐の栄養や薬膳的な効能だけでなく、実は豆腐マイスターでもある私が、赤ちゃんにベストなチョイスの仕方をご紹介します!
離乳食の豆腐はいつから?薬膳的効能は?
豆腐は離乳食初期から
豆腐は離乳食初期から食べられる食材です。
多くの方がタンパク質の1つ目の食材として選ばれるのではないでしょうか。
離乳食初期 | 離乳食中期 | 離乳食後期 | 離乳食完了期 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
大豆を煮て絞ったもの(豆乳)をにがりで固めたものが豆腐です。
絞ったことで、消化しにくい食物繊維が取り除かれているので、赤ちゃんの負担が少し軽くなりますね。
一方、絞ることでビタミンなどは少し減ってしまいますが、成長に必要なカルシウムや、脳の活性化をしたり、脂肪の代謝を助けたりするレシチンなど、赤ちゃんの成長発育に嬉しい成分を負担を最小限にしながら摂ることが出来ます。
また一番うれしいのが、豆腐に含まれるほんのりした大豆の甘みはオリゴ糖であること。
オリゴ糖と言いえば、赤ちゃんの腸内にある善玉菌(ビフィズス菌)のえさになる腸にやさしい糖質です。
オリゴ糖は腸内環境を整えることで便秘にも良いといわれています。
製品として販売されているオリゴ糖は作用がシャープでお腹が緩くなることがありますが、食材に自然な状態で含まれているものは、離乳食を始めたばかりの赤ちゃんの負担を最小限にしてくれると考えられます。
では薬膳的な効能も見てみましょう。
豆腐の薬膳的効能
味:甘
(甘味は赤ちゃんが最も好む味で、味自体が気を補って元気にする効能を持ちます。)
性質:涼
(体を少し冷やします。火照った体を潤いを与えながらひんやりするイメージです。)
帰経:脾胃大腸
(赤ちゃんにとってまだ未熟な消化吸収機能と、吸収するものと便にするものを分別している大腸にアプローチができます。また豆腐に含まれる糖質が腸内の善玉菌を増やすといわれていることからも、大腸にアプローチできている、と分かりますね。)
効能:生津 潤燥 清熱 解毒 通乳
(乾いている部分を潤わせて、ひんやりとクールダウンしながら、デトックスもできて、おっぱいも出る!というママにも赤ちゃんにもうれしい効能を持っています!)
豆腐の原料になる大豆は畑の肉ともいわれ、そこから芽が出るパワータップリのエネルギーチャージ食材です。
大豆を水に浸して作るため、豆腐になった時には原料の大豆よりも重くなっています。
この重さの正体は「水」です!
タップリとお水という潤いが入っているお豆腐は体の水分量を増やしてくれるので、結果おっぱいが出やすくなるという部分にもかかわっているといえます。
おいしいお豆腐屋さんは大豆だけではなく、この水にもこだわっているところが多いですよ!
ですが、この水が腐敗や菌の増殖の原因になるので、豆腐は生もの!という意識を忘れないようにしましょう。
では、生のお豆腐はいつごろから食べられるようになるのでしょうか。
豆腐を生で食べられるのはいつから?
パックに入ったお豆腐をゆでずに食卓に並べるのは1歳を過ぎてからが安心です。
「赤ちゃんは雑菌の影響を受けやすいので必ず加熱してから使いましょう」
と、教科書には書かれているので、離乳食の前半はかなりしっかりとゆでているママも多いのではないでしょうか。
ですが、スーパーで売られているお豆腐のほとんどは加熱処理が施されているので、神経質に加熱する必要はありません。
念のための加熱でも30~40秒熱湯でぐらぐらしていれば十分です。
それ以上すると、豆腐が固くなってしまって、口当たりが変わってきます。
麻婆豆腐を作る時に豆腐が煮崩れしないように一度湯通ししますよね。
それと同じで、豆腐は火を通すと固くなるのです。
せっかくトロっとふんわりとした食感を味わってもらいたい豆腐が、ぎゅっと固くなってしまったら残念ですからね。
2歳を過ぎた息子は大の豆腐好きですが、冷蔵庫から出したてのお豆腐をすぐに食卓に出す時にはいまだに必ず熱湯をかけるようにしています。
熱湯をかけるだけだと豆腐の食感は損なわれず、ヒヤヒヤがちょうどいい温度になるんです。
出したてヒヤヒヤの豆腐でお腹を冷やしてしまわないためにも、軽く殺菌の意味でも是非やってみてください。
余談ですが、お豆腐の一番おいしい温度って何度かご存知ですか?
じつは、17~19℃なんです。
この温度で、お豆腐の中に含まれている油分が口の中で広がって、甘みやうまみを感じやすくなるのがこの温度帯なのです。
お豆腐といえば湯豆腐か冷ややっこというイメージですが、冷ややっこはヒエヒエじゃないのがおいしいなんて、私も知った時は衝撃でした。
冷蔵庫から出したお豆腐を1時間くらい放置したら適温になります。
夏の暑い日は傷まないように気を付けてやってみてくださいね。
お豆腐をおいしく食べる温度や安心のための加熱への心構えをお伝えしたところで、スーパーで売っている様々な種類のお豆腐をしっかり吟味して選べるようにするにはどうすればいいのかをさらにお話ししていきます!
赤ちゃんが安心して食べられる豆腐の選び方!
↑離乳食初期8か月頃のはじめてお豆腐を食べる息子。
一口目は結構フクザツな、お世辞にもおいしそうに食べるとは言えない感じの表情で食べていました(笑)
にがりのえぐみに反応したのかな?と思っていました。
その頃がうそのように、今では「とーぷーおーしー!(豆腐おいしい)」と言う豆腐男子です(笑)
離乳食初期に食べるお豆腐の量は小さじ1くらい。
たった小さじ1杯のお豆腐をどうやって選びましょうか?
小さいパックになっているものもあれば、大きくて高価なものもあります。
1丁30円くらいから、300円を超えるものまで様々です。
赤ちゃんや家族が食べる上でおいしいお豆腐選びを是非マスターしてください!
原材料
お豆腐の要になっている原材料の大豆。
この大豆のお値段がダイレクトにお豆腐の値段を左右しています。
つまり、アメリカやカナダの大豆を使った豆腐と国産の大豆でお値段に大きく幅が出ます。
そして味にもめちゃくちゃ違いがあります。
お豆腐なんて、どれも白くて同じ形で、どれも一緒でしょ?
と思いたくなりますが、是非、食べ比べてみてください!
安価な海外産の大豆使用の豆腐⇒国産大豆使用の豆腐⇒もう一度海外産の大豆使用の豆腐
と食べると、びっくりするくらい味がないことに気づくと思います。
豆腐に遺伝子組み換えのものが使われているのは今まで一度も見たことがないので、あまり心配はいらないですが、(逆に安心安全を打ち出すのに、遺伝子組み換えでないという表記はよく見かけます)
産地はチェックして購入してみてくださいね!
大豆、と書かれただけで特に産地が書いていないものは大概が海外産大豆です。
にがりの表記
豆腐を固めるのはにがり!というイメージですが、実は豆腐を固める凝固剤は全部で4種類あるんです。
全部カタカナなので、入っているだけで少し不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、天然にがりを選んでいれば安心です!
にがり
お豆腐の一番メジャーな凝固剤ですね。
このにがりには、海水が原料になっている天然にがりと、
化学合成された塩化マグネシウムがあります。
せっかく赤ちゃんに食べさせるならやっぱり天然にがりがいいですよね!
天然にがりは「粗製海水塩化マグネシウム」と書かれていることもありますので是非チェックしてみてください!
すまし粉
お豆腐業界ではすまし粉と呼ばれる、塩化カルシウムはにがりでつくるお豆腐よりよりとろんと柔らかい食感になります。
塩化カルシウムは別名石膏ともいい、台湾スイーツの豆花(トーファ)なども石膏が使われています。
石膏は漢方薬でも使われていて、身体を冷ます力がさらに加わっていると考えます。
すまし粉を使ったお豆腐を販売しているお店もかなり少ないのですが、もし選べるのだとしたら、熱が高い時や、熱中症になりそうなときに選ぶと良いと思います。
ちなみに、京都の老舗豆腐屋さんの「森嘉豆腐店」さんはすまし粉を使わてている代表です。
京都で嵯峨野巡りをされるときはぜひ食べてみてくださいね!
その他
硫酸カルシウムやグルコノデルタラクトンという凝固剤も存在しますが、あまり見かけません。
いずれにしても化学合成された凝固剤なので、赤ちゃんにとって一番ベストな選択は天然にがりになります!
賞味期限か消費期限か
その日までにたべましょう、と期限内に食べることをお勧めする賞味期限とその日までに絶対食べましょう!という消費期限がありますが豆腐にもこの2つの表記のものが混在しています。
是非スーパーに行ったときにいろいろ見比べてみてください!
賞味期限で書かれているものは、パックにみっちり入っている充填豆腐などに多いのですが、パックの中で豆腐を固めた後、加熱処理をして滅菌しているもので、少し日持ちがします。
↑こういったものですね。
一方で消費期限が表記されているものは保存のための加工がされていないため余計なものが入っておらず、素材そのものの味がおいしいものが多いです。
その代わり2日3日もすれば傷んでしまうのが難点です。
赤ちゃんに食べさせる場合、期限が短いものは少し心配です。
昔ながらの製法でこだわって作っておられるこだわりのお豆腐やさんのお豆腐を!
と、私もお豆腐屋さんで購入したお豆腐を最初の一口に選びましたが、スーパーの賞味期限が書かれたお豆腐よりしっかり加熱の調理を心掛けました。
せっかくのおいしいお豆腐でお腹を壊してしまった!なんていうことのないように、しっかり調理をしてあげてほしいと思います。
暑い時期は、お店から買って帰る帰り道で痛んでしまう、ということもありますので、保冷バッグなどを持っていくと安心ですよ!
絹ごしか木綿か
赤ちゃんの離乳食で使う時には口当たりがよく、つぶしたときに滑らかになる絹ごしがおススメです。
つかみ食べやフォーク使いができるようになったら、木綿豆腐を軽く焼くことで崩れにくくなって食べやすいので、木綿豆腐も使ってみるといいですね。
ひき肉と混ぜたハンバーグを作る時にも木綿の方が水っぽくならずに作れます!
傷んだ豆腐はどうなる?
お豆腐って真っ白で、パンの様に青カビが生えるわけでもないし、傷んだところを見たことがない!という方もいらっしゃると思います。
お豆腐が痛むと、
ほんのり黄色っぽくなり、表面がぬるっとしてきます。
さらに臭うとちょっと酸っぱい香りがします。
豆乳だとヨーグルトみたいになってしまったらアウトです!
水分がたくさんあって、菌のえさになる糖分やたんぱく質が豊富なので、少し温かくなると、菌が繁殖するには絶好の条件がすぐにそろってしまいます。
傷んだ時に繁殖する黄色ブドウ球菌などは結構激しい胃腸症状が起きます。
賞味期限や消費期限にかかわらず、怪しげな香りがしたら絶対に上げないようにしましょう。
まとめ
・豆腐は離乳食初期からOK
・豆腐は体をクールダウンをしながら、潤いをチャージできる食材。
赤ちゃんの腸内環境の向上にもママのおっぱいにもうれしい成分が沢山詰まった、消化に良く栄養価の高い食材!
・豆腐は生もの!こだわりのお豆腐屋さんで買う時は非加熱のことが多いのでしっかり加熱したものを食べさせる
・食べる形や食べるステップによって絹ごし豆腐と木綿豆腐を使い分けるとよい。
・豆腐の成分表記をしっかり見ましょう!
いかがだったでしょうか?
お豆腐に詳しくなるといろんなお豆腐が気になってあれこれ取り寄せたくなります(笑)
赤ちゃんとのお豆腐ライフの第一歩、踏み出してみてくださいね!
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