離乳食を進めていると、モリモリ食べてくれてうれしい!!という日と、せっかく作ったのにお気に召しませんでしたか…がっくり。なんていう日、ありますよね。
でも食べてくれない日が続きすぎると、手間暇かけて作ったのに…と悲しい気持ちになったり、悲しい気持ちを通り越して、なんで食べてくれへんねん!!とイライラしたりすることもあります。
食べてくれないのは何がいけなかったのか?
味がついてなくておいしくないのかな?あくがとれてなかった?臭みがとれてなかった??
・・・と食べてくれない原因をあれこれ考えます。
その時に行きつくのが「味付け問題」。
悩みぬいた結果、ベビーフードを試してみると思いのほか食いつきがよかったりして、ペロッと舐めてみると自宅でつくる離乳食より味が濃い。やっぱり味が濃い方がおいしいんだわ!
一生懸命作って心折れるくらいならいっそのこと市販のベビーフードの方がよっぽどおいしそうに食べてくれるし、いいんじゃないの??
とかなったりします。
小さい頃はできるだけ薄味で素材そのものの味を大切に!なんていわれているけれど、実際のところどれくらいまで薄味を貫くのがベストなのかな??
と悩んでいませんか?
私のママ友でも、「最初からお味噌汁のうわずみ食べさせてるよー!」
というママもいれば、
2歳半になってもまだほとんど味付けをしていないママもいます。
外食ともなればお子様向けのランチは、ケチャップがしっかり絡んだスパゲティや、辛みこそないもののしっかりあじのついたカレーやハンバーグなど、教科書の「薄味」推しはどこへ・・・??といった具合です。
教科書通りに進めていくと離乳食を完了して幼児食に移行するのは1歳半といわれているので、1歳半を超えたらもう大人と同じもの食べてもいいよね!その方が準備も楽だし!というママも多いと思います。
しかし、実際私は離乳食は味付け不要!幼児食に移行してから少しだけで十分!と考えています。
でも薄味だったら食べてくれないかも?
今回はそんなお悩みを踏まえて離乳食を味付けせずにおいしく作るポイントと味付けをしない理由をご紹介します。
離乳食の味付けはいつから?一般的な目安とは?
一般的に味付けに使う砂糖・塩・味噌・醤油などは離乳食中期からごくごく少量、完了期は大人の半分くらいは使ってよい、とされています。
なぜ少量しか使ってはいけないのかというと、赤ちゃんは塩分などを処理する腎臓の機能が大人の半分しか出来上がっていないからです。
赤ちゃんってそれはもう四六時中おしっこをしていますよね?でもそのおしっこは大人の様に濃い黄色ではなく、ほぼ無色透明な薄いおしっこです。
これは大人は必要な水分を体に再吸収させて、不要なものだけぎゅっと濃縮して排出する、ということをしているのに対し、赤ちゃんはそれができず体の水分をそのまま出してしまうからなのです。
私も息子のおしっこをもう数えきれないほど食らいましたが、そこまで嫌な気持ちにならなかったのは自分の子供だから、というだけでなく、ほぼ水に近い(=おしっこ臭くない)からだったのかも。と今なら思います(笑)
さて、話を元に戻して・・・(笑)
我が家の場合、8か月から離乳食を開始し、1歳5か月からお野菜(主に葉物野菜)の塩ゆでを解禁。1歳半からお味噌を耳かき1杯いれたお味噌汁を導入しました。
2歳5か月になる今も、お味噌は耳かき2杯くらい、麺類のお出汁の時にお醤油を1,2滴使う程度の超薄味でも過ごせています。
つまり、離乳食期はほぼ味付けなしだったわけです。
味付けをしないことで周囲から「まだそんな薄い味つけでかわいそう」とか
「もっとおいしいものを食べさせてあげたらいいのに」といわれたこともありますが、味付けしないでも大丈夫!と確固たる信念を曲げずにこれたのには理由があります。
離乳食の味付けはしなくてよい?その理由とは?
赤ちゃんって実は一番グルメなのをご存知ですか?
味を感じる味蕾という感覚期は実は人生の中で3か月の時がピークなんです。
3か月というとまだおっぱいしか飲んでいない時期ですね。
母乳にはママが食べた食事の風味が移行するといわれていて、スパイシーなものや香りの強いものを食べると母乳にそれがうつって赤ちゃんが飲まなかったりすることもあります。
これは味に超敏感に反応している証拠。
そして味蕾の数がだんだん減ってきておっぱい以外のものを食べてもすんなりと受け入れやすくなってきた5,6か月で離乳食の開始時期がやってくるわけですね。ほんとうに人間の身体ってうまくできてます。
赤ちゃんの時期は味蕾が徐々に減っていくとはいえ、大人に比べると圧倒的にたくさんの味蕾を持っています。つまり、離乳食も素材そのものの味で十分おいしいと感じることが出来るようになっているのです。
敏感に味わいを感じてくれる時期なので、今日はおいしそうに食べてくれた食材を次の日はすごく嫌そうに口から出してくることだってあります。それはあなたのゆで加減のほんの違いが理由のこともあるかもしれませんが、もしかしたらその食材そのもののうまみや甘味の些細な変化に敏感に反応しているのかもしれません。
我が家では、イチゴをなかなか好きになってもらえず苦労した経験があります。
ずっとずっと拒否され続けていたイチゴは、1歳3か月くらいで急にパクパク食べてくれるようになりました。息子がお腹にいたころ、つわりでイチゴばっかり食べていた時期があったので、息子の半分はイチゴでできているはずなのに!とめげずに出し続けていました。
イチゴは実は結構農薬が使われている果物。もしかしたら農薬の味に違和感を感じて拒否していたのかも。と思っています。つまり、1歳3か月を境に農薬を感じることが出来なくなってしまったわけですね。ここでも感じる味蕾の減少・・・(笑)
農薬も敏感に察知できるほどの味覚がある赤ちゃんに、濃い味に慣れさせてしまったらどうでしょう?
もう濃い味がデフォルトになってしまって、もう後戻りはできません。
さらに濃い味を欲するようになってしまうと、生活習慣病などのリスクも上がっていきます。
また、敏感な時期に素材の味をしっかり味わえるようになっておくと、大きくなってジャンキーな食事を食べたとしても、元のやさしい味に戻ってくることが出来るといわれています。
2歳の息子は、今のところ超薄味でも文句を言ってこないからいつまででも超薄味でもいけるかも・・・!と思うこともありますが、さすがに超薄味のものしか受け付けなくて、これから幼稚園に行くようになった時に、お友達と一緒のものが全く受け付けられない子になっても困るな…とは思うので、一応私の中でいつまで超薄味を貫くか、という期限を設けています。
その期限は3歳になるまで!
じゃあなぜ3歳なのか?理由をご説明しますね。
子供の味覚は3歳で決まる?3歳までのモチベーションになる成長曲線とは?
子供の味覚は3歳までで決まる、といわれています。
この3歳は様々な分野でターニングポイントになっているんですが、
スキャモンの成長発育曲線って聞いたことがありますか?
こんなグラフなのですが、特に神経系に注目してみてください!3歳までですごい勢いで100%に近づいているのがわかります。
実際、3歳までで脳の大部分が完成するといわれ、6歳には9割が完成します。
こちらでもそれが紹介されていますね。
3歳までに習い事を始めると吸収しやすいとよく言われ、子供向けのスポーツクラブや幼児教室などでも、よくこの成長発育曲線を引き合いに出されています。
「三つ子の魂百まで」とはよくいったものですね。
3歳までにしっかりと味覚を構築して、極力添加物や化学調味料から守ってあげることで、心身共に健やかに成長する!
といわれたら、実践してみたくないですか?
外食に行ってもなかなか子供に食べさせられるものが見つからずつらいこともありますが、3歳で人生決まる!と大げさに思いながらモチベーションを維持しています。
離乳食の味付けなし=無味ではない!味付けなしでおいしいヒミツ
よく離乳食に味付けをしない、というとただ茹でただけ、つぶしただけで一切手を加えないように感じますが味付けをしない、というのは無味にする、ということではありません。
いわゆる調味料の「さしすせそ」といわれる砂糖・塩・酢・醤油・味噌を極力使わない、ということです。
さすがに茹でただけの状態だと、味に変化もつけにくいですし、苦味がある食材などはやっぱり食べさせるのに苦労してしまうこともあります。
ではどうすればいいのでしょうか?
調味料なしでもおいしい離乳食をつくる秘訣・・・それはだしをうまく使うことです!!
日本には時間をかけなくてもおいしい料理のベースとなるだしがたくさん存在します。
昆布、かつお、いりこなどなど、出汁さえしっかりきいていれば、食材のうまみを引き出してくれて、
そのうまみが重なっていくと、1+1が3にも4にもなって深みのある味わいを醸し出してくれます。
おだしの深い味わいに親しんでもらうと、将来ジャンフードに依存しにくいといわれているので、ここはぜひ、頑張ってみてくださいね!
だしを活用!お出汁活用スケジュールと素材の良さを引き出すうまみ食材のススメ
では、様々なお出汁がある中で、赤ちゃんに負担のない進め方はどんな感じか、BABY薬膳のオススメをお伝えしますね。
はじめの3か月・・・昆布だし
3か月~ ・・・カツオと昆布の合わせだし
1年~ ・・・いりこと昆布の合わせだし
・昆布だし
水1リットルに10cm角の昆布1枚をつけて、火にかけて沸騰直前に取り出す
昆布だしは離乳食の初期からOKといわれています。
無理に使わなくてもいいのですが、昆布のうまみ成分で有名なグルタミン酸は母乳にも含まれているので赤ちゃんの好む味といえます。
濃い出汁を取る必要はありません。うっすら昆布を感じるくらいで十分です。
私もかつて大人のお澄ましを作れるくらいしっかりとった昆布だしをあげて、逆に嫌がられた経験があります。大人はどうしても濃くすることでおいしくしようとしますが、そうじゃないんだな、と気づかされた出来事でした。
昆布のお出汁に慣れて、好きになってくれると、お魚などの海のものも受け入れやすいようで、初期の頃は苦手そうにしていた魚類も今では我先に!とつかんで食べるほどの魚好きに成長しています。
ちょっと食べづらそうにしているときはお粥やお白湯で伸ばす以外に薄めの昆布出汁も試してみてくださいね。
・カツオと昆布の合わせ出汁
水1リットルに昆布10cm角をつけて火にかけ、沸騰前に取り出した後、かつお15gを加えて火を止める。1~2分経ったら濾して完成。
一番定番の合わせ出汁ですね。
食塩無添加のだしパックなどもよく販売されているので、お出汁を取るのが面倒…という時にはだしパックも活用するといいですね。
カツオは赤身のお魚なので薬膳的には血を補う効能があります。母乳の摂取量が少なくなってくると不足しがちといわれる鉄分補給にもいいですね。
・いりこと昆布の合わせ出汁
水1リットルに昆布10cm角と太めのいりこ4本をつけて火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出し、そのまま1~2分沸騰させる。いりこを取り出して完成。
いりこの煮干しは塩ゆでしてから干してあるので、塩味があります。
離乳食もある程度進んできて、少し味を足していきたいな、という頃から、少しプラスしてみるといいですね。
いりこはカタクチイワシが原料。青背のお魚はDHAなど頭がよくなる成分がたっぷり含まれているので塩の代わりにいりこだしを使うことをお勧めします!
おだしとともにおすすめしたいのが、白菜や人参、アスパラガスなどのうまみ成分が含まれたお野菜です。
うまみ野菜が加わると、あっさりした和風だしに風味やコクが加わって、お塩が入っていなくても十分おいしいお出汁になります。
赤ちゃん用のお出汁はやっぱりちょっと薄め。
その薄さを塩ではなくうまみでカバーするのです。
うまみが含まれているお野菜は薬膳的にも赤ちゃんの胃腸にやさしい物ばかり。
一緒に茹でてそのままお出汁ごとつぶしてポタージュにしたり、スープストックとして活用してもいいですね!
まとめ
ではここまでをまとめてみましょう。
・3歳までに味覚を育てることで心身ともに健やかに、賢くなる!
・調味料の代わりに離乳食の進行に合わせただしを選び、さらにうまみが含まれる野菜を合わせると味に深みが出て、メニューのバリエーションにつながる。
いかがだったでしょうか?
調味料を使わないと、ある意味楽です。
赤ちゃんの時期しか味わえない繊細な味を是非堪能させてあげてくださいね!
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