癖が少なくて食べやすい野菜の一つ、キャベツは加熱するとグッと甘みが増しておいしいですよね。
おいしいエキスをたっぷり含んだキャベツのスープやロールキャベツは大人も子供も大好きなメニューだと思います。
実はこのキャベツ、離乳食で調理するうえで知らないと損をするおいしい部位や、農薬の洗い方など、チェックしておきたいポイントが沢山あるんです!
中でも切っていると浮いてくる白い油のような物体が心配・・・というあなたは必見!
今回は赤ちゃんの時期から積極的に食べたい効能が沢山詰まったキャベツを栄養学と薬膳の両面から掘り下げつつ、キャベツをおいしく安全に離乳食にするためのポイントをご紹介します!
離乳食のキャベツはいつから?薬膳的効能もご紹介
離乳食のキャベツは離乳食初期から
離乳食のキャベツは離乳食初期から可能です。
離乳食初期 | 離乳食中期 | 離乳食後期 | 離乳食完了期 |
○ |
○ みじん切り |
○ 粗みじん切り |
○ 5mmサイズ |
キャベツといえばビタミンU、別名キャベジンという胃薬の名前にもなっている胃粘膜を保護する成分が含まれています。
葉物野菜の中でも青臭さが少なく、また加熱することによって甘みが増すので食べやすいといううれしい特典つきです!
さらに、子供の成長に摂っておきたいカルシウムも含まれているってご存知でしたか?
そんな魅力たっぷりで食べやすいキャベツ、実際私も8か月から開始した息子の3つ目のお野菜に大抜擢しました(笑)
ただ、癖がないのは味だけで、離乳食初期のように、「柔らかくゆでたものを裏ごしする」という工程が必要な時期には結構な労力がかかります(;^_^A
上の写真のようにとろっとしたキャベツを作るのに心が折れそうなくらいの繊維が網に絡みつく苦行に耐え抜きました(笑)
かなりの時間をかけてつくったので、食べてくれないはなしやで~~!と願いながら食べさせたところ、何とか難なく食べてくれたので、ひとまずホッとしていた思い出です。
カルシウムやキャベジンなど、赤ちゃんに嬉しい栄養素を含むキャベツは薬膳的な視点で見てもやはりうれしい効能を持っています。
そんなわけで、裏ごしの労力を惜しまず手間暇かけて裏ごししてまで食べさせたかったわけです。
ただ、キャベツの栄養成分のほとんどは水溶性なため、長くゆでると流れ出てしまいます。
そこで、栄養もしっかり回収するためにはゆで汁も調理に使うか、蒸し調理がおススメです。
キャベツの薬膳的効能は?
味:甘
(甘味は赤ちゃんが最も好む味で、味自体が気を補って元気にする効能を持ちます。)
性質:平
(体を温めも冷ましもしないのでオールシーズン使える嬉しい食材。春は春キャベツ、冬は冬キャベツとできるだけ旬のものを選ぶのがおススメです。)
帰経:肝 胃 腎
(赤ちゃんにとってまだ未熟な消化吸収機能のサポートと、成長発育発達に係る腎、そして感情や自律神経のコントロールをする肝にアプローチ出来ます。)
効能:補五臓 健胃 化湿 補腎 強筋骨
(胃腸を整えて、水はけをよくしてくれながら、全身のパワーの底上げをしてくれて、足腰を丈夫にしたり、成長発育発達をしっかりサポートしてくれます。)
赤ちゃんの未熟な胃腸のケアはしつつも、全身を強くしてくれる、赤ちゃんからお年寄りまで嬉しい効能がそろい踏みですね。
味が淡白なので他の食材と混ぜても邪魔をせず、うまみや甘味が深い味わいになるキャベツは、離乳食期からぜひとも積極的に取り入れていただきたいお野菜だ!
と感じていただけたかな、と思います!
ここでちょっぴり気になったのがキャベツの品種での違いです。
紫キャベツや芽キャベツなど、キャベツの仲間はいくつかありますがそれによる違いはあるのでしょうか?
紫キャベツや芽キャベツとの違いはあるの?
紫キャベツ
紫キャベツは普通のキャベツに加えて赤い色素(アントシアニン)が含まれます。
薬膳的には赤い=血と連想して、血の巡りにもアプローチしてくれるので
「色つき野菜は効能もUP」と覚えておくといいですね。
ただ、紫キャベツの方が普通のキャベツより若干固いので離乳食初期から使うのはなかなか難しいと思います。
柔らかい部分をしっかり加熱して離乳食中期以降で試してみましょう。
芽キャベツ
芽キャベツは実はキャベツとは違うものってご存知でしたか?
みためはキャベツの赤ちゃんですが、ケールの仲間で、実のつき方も異なっています。
こんな風に茎にたくさんこぶができる感じなんですよ(笑)
薬膳的効能も胃腸にアプローチするという点は同じですが、味に少し苦味があるのですこし身体を冷やすイメージで便秘や吹き出物など、少し熱を持つトラブルの改善が得意です。
しかし栄養学的には、βカロチンは約12倍、ビタミンCは約4倍、ビタミンKは約2倍と、キャベツよりも栄養価が高いので、食べられそうだったらチャレンジしてみてください。
小さい分、栄養がぎゅっと詰まっている感じなんでしょうね!
息子は1歳3か月の時に芽キャベツデビューしました!
キャベツだと使い切れない・・・となっても芽キャベツなら一回に1、2個使う感じで手軽なのもいいですね。
キャベツの生食はいつから?
キャベツには加熱することによって減ってしまうビタミン類がたくさん含まれているので生食にもチャレンジしたいですね。
どんなお野菜においてもそうですが、キュウリやトマトなどの実野菜は柔らかいのである程度胃腸が整ってくる1歳を超えてからでもいいのですが、葉物野菜を生で食べるにはある程度噛む力がついていることも必要なので、1歳半を超えてからが理想です。
ちなみに息子はお湯にくぐらせただけのほぼ生のキャベツにチャレンジしたのは1歳10か月の頃でした。
ちなみにさっと炒めたキャベツは2歳4か月と、遅めです。
右手前がさっと炒めたキャベツのスープです。
歯ごたえが出ると急に食感が気に食わない、なんていうこともありますので、食べられたら、とゆったりと構えておくといいですね。
離乳食のキャベツの処理方法は?農薬は大丈夫?
離乳食に向くのは中心葉
キャベツは3つの部位からなっているってご存知ですか?
こんな風になっています。
①の外葉は緑が綺麗ですが少し青臭く、固いですよね。
ロールキャベツを美しく仕上げたくて緑が綺麗な葉を使ったら噛み切れなくて、せっかく包んだのに身ぐるみはがして先に全部キャベツだけ食べざるを得なくなった・・・とか何回かあります(笑)
しっかりに混んでも煮崩れないということは、柔らかくつぶしたり刻んだりしたい離乳食には不向きです。
また、外葉は農薬が残っている可能性があります。
キャベツに使われる農薬は残りにくく、スーパーで並ぶときには8割はなくなっている、と言われています。
また、キャベツの様にしっかりと葉っぱが巻いている野菜は内側に農薬が入りにくいので2,3枚取り除けば安心して食べることが出来ますよ。
どちらにしても、離乳食では外葉はあまり使わないので心配なさそうですね!
②の内葉はキャベツのなかで一番多い部分で、生でも加熱でもおいしく食べることが出来ます。
葉も比較的柔らかいのでもちろん離乳食でも使うことが出来ますが、一番柔らかいのが③の中心葉なんです!
中心葉は葉の大きさが小さく、まだ成長している途中なのでとても柔らかく、甘味が一番多い部分です。
キャベツの芯は一緒に茹でると甘くておいしい出汁が採れるので捨てずに是非一緒に煮て使ってくださいね。
キャベツを切った時の白い油が気になる!
キャベツを切った時、白くて油のようなものが浮いた経験はありませんか?
白いまな板だとあまり目立たなくて気にならないかもしれないのですが、黒いまな板で切っているとこんな風に白い物体が浮かんできます。
なにこれ!!
脂溶性の残留農薬?!
こんなの知らずに食べてたなんて怖い!!
と思って、しばらくかなり神経質に野菜洗い洗剤などを使って洗っていました。
白い油の正体は「ワックスブルーム」
白い油のような物体の正体はワックスブルームという、天然のロウ成分です。
確かに、キャベツって雨上がり、めっちゃ水はじいてる!
これは農薬のせいではなかったのですね!
これは葉から水分が蒸発するのを防いだり、虫害から身を守るためにキャベツ自身が出している成分なんだそうです。
また、このワックスブルームでコーティングされていればいるほど、鮮度がいいのです。
毎回、この怪しげな白い物質に心をざわつかせていましたが、毎回出てたということは、買っていたキャベツの鮮度がいつもよかった、といいように捉えることにしておきます(笑)
でも、天然で安心だとはいえ、ロウ成分なので消化に良くないものです。
気になる部分は野菜洗いなどを使って洗ってからつかうとなお安心ですね!
まとめ
・キャベツは離乳食初期から加熱して甘みとうまみが増す中心の葉を使うのがおススメ
・キャベツはキャベジンなどの胃粘膜保護成分のほかに、カルシウムなど赤ちゃんの成長発育に嬉しい栄養素を含み、薬膳的にも積極的に摂りたい食材である
・キャベツの生食は噛む力がある程度ついてくる1歳半以降が理想
・少し食感が固めな紫キャベツや芽キャベツも、トロトロにしなくてもいい離乳食中期以降はオススメ
いかがだったでしょうか。
オールシーズン使える胃薬の役目を持つキャベツ、是非取り入れてみてくださいね!
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