3月3日は桃の節句、ひな祭りですね!
春夏生まれの女の子は初節句!
初節句は離乳食期でなかった…という冬生まれの女の子は、ある程度食べられるものも増えてきた離乳食後期~完了期で迎えるお節句!
ということで、気合が入っているママも多いのではないでしょうか?
SNSなどを見るとかわいくデコレーションされたひな祭りメニューが沢山出てきますよね。
記念すべきお節句なので、色とりどりにかわいく!ということばかりが先に来てしまいがちですが、
古くから伝わるひな祭りの行事食は一つ一つを見ていくと、女の子の健康を祈念する食材が沢山あるんです。
女の子の健康を願うお節句に、薬膳の考え方をプラスしてさらに「女子力UP」を付け加えたい!
ということで、ひな祭りを10倍健康的にするおすすめの食材を行事食の由来を紐解きながらご紹介します!
男の子のママなので関係ない…とスルーせず、ぜひママご自身の身体を整えるためにもおすすめの食材が目白押しです。是非ご覧ください!!
ひな祭りの由来とは
ひな祭りは別名「桃の節句」や「上巳(じょうし)の節句」といいます。
もともとは3月の一番初めの巳(み)の日とされていましたが、今は3日に固定されていますね。
暦の上で春になる立春から約1か月ほどたって、気候も徐々に春めいてくる季節の変わり目にあたるこの時期は体調を崩しやすい(邪気にやられやすい)時期でもあります。
今は少しの不調で済むことも昔は命にかかわることも多かったため、邪気や穢れを自分の身代わりになる人形にうつして、それを川に流して無病息災を祈念する行事でした。
今でも「流し雛」の行事がいくつかの地域で残っています。
もともとは女の子の節句ではなく、七夕などと同じように無病息災を願う日であった節句でしたが、5月5日が男の子の節句になっていったときに、3月3日が女の子の節句となったといわれています。
「桃の節句」という名前になったのは、ちょうど開花時期と重なることだけでなく、昔から神聖な木とされていていたからと考えられます。
桃がすごい!というお話は、是非こちらもご覧ください(笑)
女の子の節句として確立されてるようになり、本来平安時代の子供の人形あそびだったものから、やがて、一対の男女のひな人形に厄を引き受けてもらうという意味合いや、健康に成長してお嫁に行けますように、といった願いが込められるようになりました。
今では「お雛さんをすぐ片付けないと行き遅れる」とか
「お雛さんを飾る日は立春を過ぎた大安か友引の晴れた午前中」とか
お雛様を飾るにもいろんな決まり事があったりして「女性の幸せ=結婚」的な少し古風なにおいもしますが、娘さんが健康にすくすく成長してくれますように、という気持ちで飾ってあげるといいですね。
ちなみに私は実家に何代か譲り受けた立派な七段飾りのひな人形があったんですが、一人で出したことも片づけたこともなくお嫁にきてしまいました(笑)
小さい頃は、触らんといて!そこで見てて!といわれながらすごい細かいパーツを必死で飾っていた母の姿を横目に、シルバニアファミリーを思わせる細かいお道具類に触りたくて仕方なかったのを覚えています(笑)
一回ぐらい全部自分で出して片づけておくべきだったなぁなんて思ったりすることもありますが、今のところ息子一人なのでご縁がなく、今は家族の中で立った一人の女子の私のためにひっそりとガラス製のお雛さんを飾っています(笑)
(あ、ちなみに京都出身なので、お雛さんの位置は左側です(笑))
ひな祭りの行事食は?その意味を知って薬膳的に応用しよう!
ひな祭りでリアルに食べる行事食といえば、
「ひなあられ」くらいだった幼少期を過ごした私ですが(笑)
桃の節句の行事食は華やかなものが沢山ありますね。
菱餅に、蛤のお吸い物に、菜の花のお浸し、ちらしずしに甘酒。
男の子の節句の端午の節句はちまきか柏餅くらいで、お料理系が少ないのに対し、女の子のは色とりどり、見るのも楽しいです。
ちなみにこちらで端午の節句の食事について書いてます。
離乳食期の赤ちゃんには菱餅やあられなどのお菓子勢や生ものが乗ったちらし寿司は難しいですが、蛤のお吸い物のお出汁や菜の花などは食べさせることが出来ます。
一つずつ見ていきましょう!
菱餅
もともと菱餅は、子孫繁栄や長寿の意味合いがある菱餅に母と子が健康であるようにという想いを込めてハハコグサ(七草に使われるゴギョウ)を混ぜて作られていました。
中国から日本に上巳節として伝わったころ、母と子をつくのは縁起が悪い、と受け入れられなかったため、良く繁殖するところから子孫繁栄を連想するヨモギに変えられて定着したようです。
この菱餅の3色は「白」い雪の下から「緑」の植物の新芽が芽吹き、「桃色」の花を咲かせる姿を表しているといわれています。
この3色がそろうと、何とも春らしい感じがして私はとても好きです!
さらに、この色付けに使われる食材の薬膳的効能を見てみると、
桃色に使われるくちなしには「涼血(りょうけつ)」といって熱を持った血を浄化させる効能があり、強い炎症やイライラを解毒する力があります。
緑色に使われるよもぎは薬膳的にお腹を芯から温めながら血の巡りを良くするので、婦人科領域では欠かせない薬草の一つです。よもぎはお団子以外にもお灸や、よもぎ蒸しなど、温めるツールとしても使われていますし、そういった意味でも女の子のお節句にはピッタリですね!
離乳食期にはおもちはNGですが、この3食を使って色付けたお粥などを菱餅風にあしらうと素敵ですね!
ひなあられ
ひなあられはひな人形をもって出かける風習から、菱餅を砕いてあられにすることで、持って出かけられるようにしたものです。
菱餅から作るので基本は「緑」「白」「桃」の3色ですが、これに「黄色」が加わることもあります。
黄色は東洋医学的に見ると消化器系統(脾)にアプローチする色でもあり、全体を調和する中心の色でもあるのですべての色をまとめる意味合いもあると考えます。
関東のひなあられはポン菓子タイプで、関西のひなあられはあられタイプなので地域によって見た目に違いはありますが、配色は同じです。
子供用のひなあられはチョココーティングのものが混ざっていたりしますが、行事の由来を知って、本来の色のものを食べる機会になるといいですね。
離乳食期に固くて小さなあられは誤嚥の原因になることもあり、さらに醤油や砂糖のコーティングがあるものも多く味が濃いので、砂糖や塩不使用でくちどけの良いの赤ちゃん用のおやさいぼうるなどで代用するのがおススメです!
はまぐりのお吸い物
はまぐりは対になる貝殻だけがぴったりと合わさるという特徴から、夫婦和合の象徴として有名ですね。
運命の人に巡り合いますように、といった意味合いがあるはまぐりは、薬膳的にも身体を潤わせて、おりものや子宮筋腫などの婦人科系トラブルの改善に良い食材でもあります。
将来子供を産む身体になるための準備として、女の子の節句に食べるのはとてもすてきな習慣ですよね。
貝類は噛み切りにくく、細かくなりにくいため、離乳食期に与える場合は離乳食後期以降が望ましいとされていますが、はまぐりから出るお出汁を薄めたものを少しであれば離乳食中期頃からOKです。
いずれにしても新鮮なものをしっかり火を通して使うようにしてくださいね。
(火を通し過ぎると今度は身が堅くなってしまうので、心配な場合は身は無理に使わなくてもいいかもですね。ちなみに息子は1歳4か月のひな祭りの日にデビューしました。)
ちらし寿司
ちらし寿司はおめでたいものを盛り込んだお寿司です。
れんこんは見通しを良く
エビは腰が曲がるまで長寿で
豆はまめまめしく過ごせるように
椎茸はカメに見立てて長寿に
錦糸卵はお金に困らないように
といった感じでとにかく縁起物をこれでもか!と入れるイメージです(笑)
薬膳的にも気を補う食材が沢山入っていていいのですが、
離乳食期はエビや卵などアレルギー的に心配な食材も多いので、子供のお腹を元気に、エネルギーをチャージする食材として
黄色はお腹を元気にするかぼちゃ
赤色は人参
緑はブロッコリーなどを使ってちらし寿司風に盛り付けるのもいいですね。
菜の花のおひたし
菜の花は血の巡りを良くして、産後の回復の効能を持ちます。
薬膳的には「ベストオブ女子力」な食材です。
特に女性は毎月月経ががあったり、出産でたくさん血を失ったり、と血の増減に振り回されるので、血を整える効能を持つアブラナ科の食材は特におすすめです。
中でも春先に短い旬を迎える菜の花は冬から春になる大きな生命エネルギーの変化を調和してくれる超優秀な食材なのです。
ほろ苦くて子供受けしにくい食材ではありますが、だからこそ、お節句の時だけでも!食卓にあげて上げてほしいと思います。
やわらかく、開花していない蕾部分や柔らかい葉部分のみを使ってしっかりゆでて水にさらすことで離乳食初期から使えますので先入観なく食べてくれる離乳食期から是非使ってみていただけたら!と思います!!
ちなみに息子は平気で食べてくれていました(笑)
甘酒
甘酒はもともと「白酒(どぶろくのようなもの)」が由来で、「白」くて清い色のお酒で厄を払い、身体を清める意味合いが込められています。
お酒だと子供が楽しめないため、ノンアルコールの甘酒が飲まれるようになりました。
お粥を米糀の力で糖化させている甘酒は離乳食期から使うことが出来ますが、お砂糖が含まれていないもののしっかりした甘みがあるので、飲料として飲むのには適しません。
形だけ…という時は10倍くらいに薄めたものを添えておくくらいがいいかもしれませんね。
このように
桃の節句で食べるものはすべて「色」がポイントになっています。
食べられる食材にまだまだ制約のある離乳食期のお節句ですが、「女の子の健康」と「緑・白・桃の三色」に着目して離乳食を演出していただけたら!と思います。
離乳食をひな祭り仕様に!3色でひな祭りを演出しよう!
ひな祭りで使う三色には春の訪れを感じさせる色合いという意味合い意外に、桃色は「魔除け」、白色は「清浄、純潔」、草色は「健やかな成長」の意味があります。
BABY薬膳的にはここに薬膳的効能をプラスして「女子力UP」も付け加えたいわけです。
何も考えず、緑、白、桃色をそろえれば「らしく」なります。
ですが、ただ色をそろえるのではなく、どの食材でその色を出すか、まで是非こだわっていただきたいのです。
そこで何で色を付けるかおすすめの食材をご紹介します!
桃色
薬膳的な考え方では、桃色(赤色)は血にアプローチすることが出来る色と考えます。
女子は血へのアプローチ方法があればあるだけいいので、離乳食期から少しずつ手札を増やしていきましょう。
ビーツ
食べる血液といわれるビーツは少量でとってもかわいいピンク色になります。
(写真はバレンタイン離乳食の時のものです)
ビーツそのものは割と固くて離乳食後期頃がいいかな、と思いますが、ゆで汁は離乳食初期から使えますので是非使ってみてください!
赤軸ほうれん草
ほうれん草は血を増やす食材の一つで、赤軸ほうれん草は茹でて軸を刻んだものをご飯に混ぜるとピンク色になります。
赤軸ほうれん草なんて売ってないよ…という場合は、ベビーリーフミックスの中のものを使ってみるといいですよ!
ベビーリーフなので葉が柔らかく、砂などの混入もないので離乳食初期など少量だけ使いたい時にとても便利です。
(赤軸のものはビーツの葉っぱの事もあります。)
紅大豆
山形の在来種の大豆で、ご飯に炊きこむとピンク色になります。
大豆が食べられるようになったら一緒に炊き込んでお赤飯風にするのもいいですね!
写真は紅大豆でつくられた豆乳を混ぜてパステルピンクにしたものです。
にんじん
離乳食初期からの定番食材で、子供のお腹を整えるのが得意な人参ももちろんOKです。
ただピンクというより少しオレンジ色になってしまいますね。
お正月に良く使う京人参など、赤い人参が手に入ればピンク色に近づけることが出来ます!
トマトはご飯に少量混ぜるとピンク色にすることが出来ますし胃腸にもいい食材なのですが、身体を強く冷やす夏野菜なので、春先には積極的に使いたくない食材です。
一般的な離乳食レシピなどではピンクにするのに結構使われているのですが、是非、他の食材でピンクになるように頑張ってみてください!
緑色
緑色は自律神経など気の巡りとかかわる「肝」にアプローチできる色です。
その多くは鉄分やカロテンを含んでいて西洋医学的にも血にアプローチすることが出来ることがわかります。
春は緑が生い茂って自然界のエネルギーがのびのびと上に上に上がりやすい季節なので、芽吹いた若い葉を食べることでエネルギーをコントロールすることが出来ると考えます。
離乳食期は根菜類が先に来て葉物野菜がどうしても後回しになりがちですが、春先は気持ち多めに登場させる意識を持っているといいですよ!
菜の花
先ほども書いたように、菜の花は薬膳的に「ベストオブ女子力」な食材です。
茹でた後しっかり水にさらしてあくを抜けば離乳食初期から活用できますので、是非メニューのどこかで使ってみてください!
よもぎ
緑色のおもちといえば基本的にはヨモギのことが多いですよね。
こちらも先ほど書いたように、お腹を温めて血の巡りを良くする効能を持ちます。
よもぎも粉末状になっているものを使えば離乳食中期頃から使えます。
キク科のアレルギーがある場合は使えないので同じキク科のレタスや春菊が大丈夫であればチャレンジしてみてくださいね。
アボカド
アボカドは気を補う力が強く、また「食べる美容液」といわれるほどビタミンEやB1などを含む女子力UP食材です。
さらに加熱すると離乳食中期から使える食材です。
脂質を多く含むのでたくさんは食べられませんが、ご飯に混ぜてパステルグリーンをだすのにはめちゃくちゃキレイに発色します。
紅大豆のところで紹介した菱餅風ご飯の緑もアボカドを使っています。
ひなあられ風マッシュボール
おまけですが、同じようにひなあられ風の離乳食を作る場合は、じゃがいもやかぼちゃのマッシュを小さく丸めると簡単にできます。
青のりを混ぜるとあられっぽさがUPしますね。
手づかみ食べにもちょうどいいので是非一緒に作ってみてください。
まとめ
・ひな祭りは「緑」「白」「桃色」で演出!
・緑の食材も桃色の食材も「血」にアプローチできる女子の味方!
いかがだったでしょうか?
是非、色付けする食材にも着目して、素敵なお節句をお過ごしくださいね!
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