急に暑くなってくると、冷たいものを試してみようかな。
アイスはいつから食べようか、なんて考える方も多いかもしれませんが、
ちょっと待ってください!!
夏の暑さは物理的に冷たいものではなく、身体を冷やす効能を持つ食材を取り入れるところから始めてほしいのです!
これを読んでいただくと、赤ちゃんの消化吸収が整ってきたら、暑い時期を待って少しずつ取り入れたいな!と思っていただけると思います!
今回は夏に絶対食べたいきゅうりを、栄養学的な面と薬膳的な面から掘り下げ、夏に食べたい理由や、食べさせる工夫についてお話ししたいと思います!
離乳食のきゅうりはいつから?薬膳的な効能もご紹介!
きゅうりは離乳食中期から
きゅうりは本によっては初期から食べてOKなお野菜なのですが、BABY薬膳的にはそんなに急いで始めなくていい食材です。
その理由は3つあって、
①独特のえぐみがあるという味覚的な理由
②どう頑張ってもトロトロにならないという食感的な理由
③身体をとっても冷やすという性質的な理由
です。そんなわけで離乳食中期以降をお勧めしています。
離乳食初期 | 離乳食中期 | 離乳食後期 | 離乳食完了期 |
△ | 〇 | 〇 | 〇 |
食べられるようになったらもちろん、いろんな食材に触れる意味でも食べてみてほしいのですが、95%が水分なので、栄養がないなんて言われることもあります。
でも、これだけたくさんの水分を含んでいるきゅうりは、逆に水分代謝が活発な赤ちゃんにとってはうれしい食材といえます。
また、野菜に含まれている水分は、そのまま水を飲むよりも吸収しやすいといわれているので、脱水や熱中症をおこしやすい夏の時期は積極的にチャレンジしたい食材です。
夏の縁日などで、キュウリの一本漬けってありますよね。
あれは熱中症対策としてはうってつけの一品なのですよ。
昔はかき氷や冷たいラムネの売っているお店ばかり探していましたが、最近は一本漬けばかり血眼で探しています(笑)
一つ残念なのが、キュウリはアスコルビナーゼというビタミンC分解酵素をもっていること。
夏の日差しを浴びたお肌にビタミンCが欲しいのに、分解してしまうなんて!やめてー!という感じですが、加熱することで酵素が働かなくなるので加熱必須な離乳食前半は安心ですね。
では薬膳的な効能も見てみましょう。
キュウリの薬膳的効能
味:甘
(甘味は赤ちゃんが最も好む味で、味自体が気を補って元気にする効能を持ちます。
でもきゅうりが甘いなんて絶対思わないし、不思議ですよねー!薬膳ではたまにそういうことがあります(笑))
性質:寒
(体をめちゃくちゃしっかり冷やします。めちゃくちゃ冷えるということは・・・めちゃくちゃ冷やしたい時だけ、食べたいですね。)
帰経:胃小腸
(胃と小腸ということは消化器系そのものが熱を持っている時に早くアプローチ出来ます。)
効能:清熱 止渇 利水 解毒 生津
(熱を冷まして、渇きを止めて、水分代謝を活発にしてデトックスして、身体に潤いもチャージするという働きを持ちます。)
きゅうりはとにかくめちゃくちゃ身体を冷ます力がある、ということがお分かりいただけたかな、と思います。
ということは、夏の暑い日や、熱がある時に食べたいな!という感じの食材ということがわかります。
身体に悪いものがあると、体の中でその悪いものと戦おうと炎症反応が起こりますよね。
ウィルスが入ってきたら熱が出る、みたいな感じです。
そんな時に解毒力の高い食材をチョイスすることで、解熱剤などのサポートもできる、というわけです。
反対に、身体を冷やしたくない時や、お腹が冷えている時なんかは、避けておきたい食材でもあります。
スーパーでは年中売っていますが、薬膳を学び始めて、秋冬に購入することはほぼなくなりました。
余談ですが、購入する時は、まだ黄色い花がくっついていたり、触ると痛いくらいぼつぼつがとがったりしているものが新鮮でおススメです!
きゅうりを生で食べるのはいつから?生のきゅうりの魅力とは?
生のきゅうりは1歳を過ぎてから
きゅうりは身体をしっかり冷やす効果は、生で食べることでより強くなります。
どんなお野菜でも、生で食べるのはある程度食事に慣れてくる1歳以降が推奨されています。
消化吸収に負担をかけないためにも、お腹を急激に冷やさないためにも、1歳になったからと言って急いで食べなくてもよいかな、と思います。
特に丸ごと噛めるようになるのは1歳半前後で奥歯も生えてからになると思います。
息子も7月から離乳食を開始して初期を進めている時は夏真っ盛りではありましたが、体を強く冷やすことが刺激になるな、と判断して、結局キュウリを始めたのは1歳4か月春の陽気が強くなってきた3月の頃でした。
息子の場合は奥歯が生えてきていたのもあって1歳半を待たずして、という感じですが、幼児食に入ってからでも遅くないと思っています。
冷やすと良くないよ、というお話ばかりしていると、もうきゅうり食べなくていいんじゃないか、と思えてきますが、キュウリは生でしか働いてくれない栄養素が沢山含まれているんです。
きゅうりを生で食べる魅力とは
カリウムが豊富
カリウムの摂取量を増やすことによって、熱中症の予防になるだけでなく、水分代謝がスムーズになって、血液が流れやすくなったり、骨密度の増加につながるといわれています。
これからぐんぐん成長する赤ちゃんにはうれしいミネラルですね。
脂肪分解酵素が含まれる
ホスホリパーゼという脂肪分解酵素が含まれています。
お肉やお魚など、動物性たんぱく質を食べるときに気になる脂肪の分解をサポートしてくれるのは、消化吸収が未熟な赤ちゃんにはやっぱりうれしいですよね。
ここまでで、消化吸収が整ってきたら、暑い時期を待って少しずつ取り入れたいな!と思っていただけたかな、と思います。
ここで夏に絶対食べよう!と思っていただけるように夏に食べたい理由をまとめてみたいと思います。
きゅうりを夏に食べたい3つの理由
身体を冷やす
ここまででアツく語ってきたとおり、キュウリの最大の効能は体を冷やすことです。
もともと赤ちゃんは平熱が高く、暑い季節は熱がこもりがちになります。
キンキンに冷えたものは負担になりますが、常温のきゅうりであれば胃腸に急激な負担をかけずにクールダウンが叶います。
急速に水分補給ができる
夏の暑い時に水分補給!とおもってお水やお茶を飲むのもよいのですが、
赤ちゃんのうちは一度にたくさんは飲めません。
沢山飲んでしまうと、今度はほぼまだ出ていないなけなしの胃液がさらに薄められてしまって、消化吸収の妨げにもなりかねません。
そこで、水分補給を食べ物で!という意識を持っていただきたいのです。
きゅうりはカリウムも含まれていて電解質バランスを整えるのにもばっちりです。
飲み物についてはこちらも参考にしてくださいね!
噛む練習になる
歯もある程度生えてきて、前歯でかじりとるというのができるようになる頃に、きゅうりの太さや固さがちょうど噛む練習に最適なのです。
夏は暑さから食欲も落ちてしまいがちですが、噛むことで唾液がしっかり出て、消化を促すこともできます。
丸ごとそのままのきゅうりを五感で感じるのにも、細かくサイコロ状に切ってしまわず、丸ごと渡してみてください!
持たせてもらうのも嬉しいみたいで、うれしそうに持ち歩いてました(笑)
これは1歳半を過ぎたころ。
軽く塩で板摺りしたきゅうりをさっと洗ったものです。
きゅうりが苦手!そんなときの対処法
今年の夏にはチャレンジしてみようかな!というママのやる気を大きく裏切ってくるのが、きゅうりのおいしさがなかなか伝わらないこと(笑)
私はデパートのお寿司売り場でかっぱ巻きを見つけたらついつい買ってしまうほどのきゅうり好きなのですが、きゅうりのえぐみや青臭さから苦手なお子さんも多いと思います。
ずいぶん前に参加した、市で開かれている離乳食講座に参加した時、きゅうりを食べてくれないのですがどうしたらいいでしょうか?という質問をされているママが何人かいらっしゃいました。
その時の栄養士の先生は「無理に食べなくていいですよ」と言ってました(笑)(笑)
でも、せっかくなので、こうやったら食べれないかな?といろいろ試してみてほしいと思います。
皮をむく
まずやってみるのが皮をむくことです。
皮の部分はβカロテンなども含まれて栄養価が高い部分ではありますが、苦味やえぐみの原因になっている部分でもあります。
まずは、きゅうりに抵抗なく感じてもらうために、皮をむいてみましょう。
離乳食の早い段階で試すときには、皮と種を取り除くと癖がかなり軽減されます。
種を取り除く
瓜類は種部分の方がデトックスの力が高いです。
カリウムも種部分のほうが多く含まれていますが、取り除くことで、ドロッとした食感がなくなるので、きゅうりが苦手な場合や、離乳食の早い段階の時には取り除いてみましょう。
えぐみをとる
きゅうりの両端を1センチくらい切り落として、切り口をすりすりすると白っぽい泡が出てきて、えぐみをとることが出来ます。
これ、普段されていますか?
小学校の調理実習できゅうりのサラダを作った時に初めて教わって、泡が出てくるのが面白くってずっとやってた記憶があります(笑)
最近のきゅうりはあくの強いものが減ってきてえぐみも少なくなっているので、それに伴って、きゅうりの処理も、塩でゴリゴリと板摺利をするくらいで終わっていることも多いのですが、昔ながらのえぐみ取りは結構有効ではないかな、と思うのです。
糠漬けをするときにも、このヒトテマをやっているのとやっていないので、味わいが変わってきます。
えぐみ取りのやり方がこちらでも紹介されています⇓
ぬかづけにする
糠漬けにすると、きゅうりが発酵食品に変身します。
糠につけることで程よく塩味が入って食べやすくなるだけでなく、持っている酵素の力がパワーアップするのです。
また、糠の力で身体を冷やす力が少し弱まって、体への負担も優しくなるのでうれしいです!
あまりしっかり漬かってしまうと塩分が気になってしまうので、超スーパー浅漬けから試してみて下さい。
少し大きくなってきたら泥んこ遊びの延長で、糠を混ぜるお手伝いをしてもらおうと思っています。
キウイと合わせる
キウイときゅうり?だじゃれですか?
と突っ込んでしまいそうですが、意外や意外、きゅうりとキウイはとっても相性がいいのです。
どうしてもきゅうりが苦手なお子さんには、きゅうりをすりおろして絞ったしぼり汁をキウイのピュレにすこしまぜて食べてみてください。
夏のクールダウンにうってつけのおやつになりますよ!
キウイの効能はこちらでご紹介しています。
まとめ
・きゅうりは身体を冷やす力が強いので食べるのは暖かい季節がおススメ。
・きゅうりは生で食べることで水分補給になるだけでなく、ミネラルや酵素など栄養がたっぷり摂れる。
・食べられない時は無理せず、でも工夫を凝らしてチャレンジしてみる!
塩分がOKになったら糠漬けも是非!!
いかがだったでしょうか?
急に暑くなってきたら、アイスじゃなくてきゅうりですよ!
是非取り入れてみてくださいね!
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