離乳食期の便秘解消食材としてここ最近人気急上昇中のオートミール。
あなたは離乳食で活用されていますか?
栄養価が高く、スーパーフード扱いされていたり、アスリートや筋トレをされている方がこぞって食べていたりするので、なんだかよさそうな感じ、しますよね。
(一世代昔はイギリスの朝食の定番で、見た目が若干残念で食べる気がしない謎のミルク粥っていう感じだったのに(笑)・・・そういえばイングランド航空にのって、出てきたときは食べへんかったな…(笑))
話をもどして(笑)
オートミールがいいって言われているけど、実際のところはどうなんですか?とご質問をいただくことがあり、やはり新参者の横文字食材ってちょっと気になりますよね。
そんなわけで、離乳食期にオートミールはアリかナシか?を今回も西洋栄養学と東洋医学の両方向から掘り下げながらご紹介していきます。
ちなみに3歳になる息子はある理由からオートミール全く試さず離乳食期を終え、今に至ります。
これを読んでいただくと、わが子のオートミールとの付き合い方に軸が持てて、与えるタイミングを決めるきっかけになると思います!
早速お話ししていきますね!
オートミールはいつから?本によってバラバラの真相
オートミールはオーツ麦、または燕麦(えんばく)という麦から作られる加工品です。
穀類で、水やミルクに入れるとトロっとふやけるため、赤ちゃんでも食べられる食材ではあるのですが、いざ試してみようと調べてみると、推奨される開始時期が文献によってまちまちなのです。
一方で離乳食初期から少しずつ、と書かれているかと思えば、米粥に少し混ぜる程度で離乳食後期から、と書かれているものもあって、結局いつから始めたらいいの??と迷いますよね。
なぜこんなことになるかというと、食感(嚥下能力)ベースで見ているか、消化能力ベースでみているかの違いがあるんです。
つまり、水分を含ませばすぐにトロトロになるので、5~6か月の赤ちゃんで噛めなくても飲みこめる食感ではあるけれど、食物繊維が豊富で消化に時間がかかるので、できるならば離乳食に慣れてきた後期以降が望ましいですよ、ということですね。
え、そんなにとろとろになるのに消化に悪いの??って気になりますよね。
では、なぜ消化に悪いといわれるのかを詳しくお話ししますね。
オートミールは消化に悪い?
オートミールは食物繊維がめちゃくちゃ豊富な穀物です。
どれくらい豊富かというと、玄米の約3倍、白米の約20倍ともいわれています。
この豊富な食物繊維のおかげで低GI食品といって、血糖値の上昇が緩やかですよ、というわけですね。
食物繊維の量が直接的に消化の時間に比例するわけではありませんが、それだけ消化に時間がかかる=腹持ちがよい食材になります。
もちろん、脂っこいものよりは消化への負担は軽いのですが、食物繊維はもともと吸収されないものなので消化に良いとは言えないのです。
大人であれば腹持ちが良くて、血糖値の上昇が緩やか!となれば、すぐにでも試してみようかな!となるところですが、離乳食期の赤ちゃんとなると、状況が変わってきます。
実際、食物繊維が豊富なキノコ類やたけのこなどをイメージしていただくと、到底離乳食初期に使えないな、という感覚が見えてくるのではないかな、と思います。
しかし、こんなに食物繊維が豊富で胃腸に負担がかかるにもかかわらず、オートミールを離乳食に使うことがチラつくのには、理由があります。
オートミールを食べたくなる?!魅惑の栄養価!
オートミールは消化に時間がかかる難点はありますが、めちゃくちゃうれしい栄養が色々と含まれています。
特に、鉄分、カルシウム、亜鉛、ビタミンB2など、主に離乳食期が進まないとなかなか食べにくい動物性たんぱく質に含まれるようなミネラル分が豊富なんです。
これらは血液を作ったり、骨を丈夫にしたりするのに必要なものなので、成長が著しい赤ちゃんにとっては嬉しい栄養素ですね。
さらに薬膳的効能も見てみましょう。
オートミールの薬膳的効能は?
味:甘
(甘味は赤ちゃんが最も好む味で、味自体が気を補って元気にする効能を持ちます。)
性質:涼
(身体を少し冷やす食材です。便秘が続いて身体に熱がこもっている時なんかにはいいですが、毎日続けると少し身体を冷やすので気を付けましょう。)
帰経:脾 胃 大腸
(赤ちゃんにとってまだ未熟な消化吸収機能のサポートと、お通じのコントロールが出来ます。)
効能:健脾 消積 降気 通便
(豊富な食物繊維でお腹の中にたまったものをおそうじすることで、お腹を元気にします!という効能を持っています。)
西洋栄養学的な栄養価と、薬膳的効能を合わせてみると、身体を少し冷やすものの、ビタミンもミネラルも豊富で、腸内環境も良くしてくれるなら、赤ちゃんによさそう!って思えてきますよね。
そして、ここで「通便」というお通じを出す効能キーワードが出てきました。
実際、離乳食期の便秘対策にもオートミールがいいらしい、というのをちらほら見かけるようになってきました。
赤ちゃんの便秘にオートミールは効くの?
赤ちゃんの便秘にオートミールは効くのか。
結論から言うと、「合う合わないがある」という感じです。
離乳食期は様々な新しい食材にチャレンジしたり、授乳オンリーの時期に比べて水分摂取量が減ることで、便秘になりがちです。
息子も離乳食を始めてからお通じの回数が減り、2,3日に1回になった時には綿棒浣腸のお世話になったりしていました。
3日も4日もお通じがなくても苦しそうにしていなければあまり気にしなくてもいい、といわれますが、ママの心の中は穏やかじゃないですよね。
離乳食期の赤ちゃんに便秘薬という選択肢はほぼないので、そうなってくるとお通じが良くなる食材はない物か?と探します。
すると出てくるのが「オートミール」
豊富な食物繊維がお腹にたまったものをからめとって外に出してくれるというしくみです。
でも、もともと赤ちゃんは消化の力が弱く、身体にとって必要なものと不要なものを分別する力もまだまだ未熟です。
いくら効能として体から余分なものを出す力があっても、それを使いこなせなければ結局おなかにたまってしまうのです。
もともとオーツ麦は日本古来の食材ではなく、日本人の身体には合わないケースも多いです。
お通じを良くする目的で食べているのに、大人であっても逆にお腹が張ったり、便秘が悪化したりすることもあります。
(乳製品やオイル類もヨーロッパの人に比べると日本人の処理能力が劣るといわれていますよね。もともとイギリスでよく食べられている食材なので、これも例外ではないのかな…と思ったりもします。)
効能の優秀さだけで飛びつくと、赤ちゃんに合っているかどうか、を忘れてしまいがちです。
BABY薬膳で大切にしている「赤ちゃんの体調と体質に合わせた食材選び」を心掛けていただきたいなと思います。
息子の離乳食期にオートミールを試さなかった理由は、胃腸への負担をかけたくなかったことと、お腹を冷やしたくなかったことが理由です。
そして、便秘の時にも出ない原因(環境の変化や、便通が悪くなるものを食べたなど)をしっかり突き詰めることと、綿棒浣腸をすることで解消していたので、オートミールを試してみる!という選択肢がなかったのも事実です。
食欲旺盛な子だったので、それでもずっと出ない日が続いていたら、もしかしたら試してみようかな、ということがあったかもしれませんが、結局その機会もなく今に至ります。
オートミールは実際いつから試す?BABY薬膳的見解
ビタミンもミネラルも食物繊維も豊富で魅力的な栄養素たっぷりなオートミール。
食べられるなら食べてみたい!
のですが、基本的には離乳食期を完了する頃から開始するのが無難かな、と思っています。
そもそも、大麦やもち麦、玄米といった雑穀は消化に悪いという理由で、離乳食期に適さないですよね。
オートミールは上記の雑穀類よりやわらかくなるし、決して食べさせられないものではないですし、実際離乳食でオートミールを食べて何ともない!とか、快便になった!という子もいるけれど、赤ちゃんの消化能力を見ながら少しずつ進められるといいな、と思います。
お腹が丈夫で、白米をどれだけ食べるねん!と突っ込みたくなるくらいの食欲旺盛タイプのお子さんなら、完了期後半くらいから栄養の摂取を期待して試してみるのもアリですね。
けれど、始めるときはいきなりご飯の代わりにオートミールどーん!といくのではなく、普段食べているお米の1割をオートミールに置き換えてみるくらいのイメージで開始するといいかなと思います。
(教科書的には離乳食中期頃に10gくらいから、様子を見ながら10gを目安に増やしていくとなっています。)
オートミールが向かない可能性があるタイプは?
- お腹をこわしやすい子
- イモ類でお腹が張る子
- 麦系にアレルギーがある子
- 冷えると調子が悪い子
こんなタイプの子はオートミールが合わない可能性が高いです。
さぁ!便秘だ!オートミールだ!とならずに、便秘の原因をしっかり探りながらお子さんに合わせた食材選びをしていきましょう!
まとめ
・オートミールは栄養価が高く、柔らかくなるし離乳食期に食べられなくはない食材だが、赤ちゃんの消化吸収能力に合わせて様子を見ながら開始する。
・オート―ミールが離乳食期の便秘に効くかどうかは人それぞれ。合う合わないがあることを忘れない。
いかがだったでしょうか。
3歳になる息子は今はすっかり毎日快便で、白ごはんは大人と同じ量食べれてしまう食欲旺盛っこなので、そろそろオートミール、試してみようかな(笑)
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